Googleが提供するAIメモツール「NotebookLM」は、私たちが持っている資料を読み込ませるだけで、内容を整理したり質問に答えたりしてくれる強力な助っ人です。仕事のプロジェクト資料や学習用のテキストをまとめて放り込めるのは、とても心強いですよね。
ただ、実際に使い始めると「このExcelファイルはそのまま入るのかな?」「YouTubeの動画もソースにできるって本当?」といった、具体的な「ファイル形式」への疑問が湧いてくるものです。そこで今回は、NotebookLMが今対応している形式と、ちょっとした工夫で無理やり読み込ませるテクニックをまとめました。
NotebookLMが「直接」読み込めるファイルの種類
NotebookLMに資料をアップロードする際、まず基本となるのは「テキストベース」のファイルです。AIが文字として認識しやすい形式であれば、驚くほどスムーズに中身を把握してくれます。
PDFやGoogleドキュメントはそのまま放り込んでOK
もっとも一般的なのが、PDFファイルやGoogleドキュメントを直接アップロードする形です。報告書や論文、マニュアルなど、すでに文書としてまとまっているものであれば、そのまま読み込ませるだけで準備が整います。
Googleドキュメントの場合は、自分のGoogleドライブから直接ファイルを選べるので、わざわざパソコンにダウンロードする手間もありません。特定のフォルダにある資料をまとめて選択し、一気に自分専用のAIデータベースを作ることが可能です。
Markdownやテキストファイルも得意分野
エンジニアの方がよく使うMarkdown(.md)形式や、シンプルなテキストファイル(.txt)もサポートされています。これらは装飾が少ない分、AIにとっても内容を読み取りやすい、いわば「優等生」なファイル形式です。
例えば、日々の業務メモをテキストファイルで残しているなら、それをそのままNotebookLMに渡すだけで、過去の記録から必要な情報をすぐに探し出せるようになります。
1ファイル100MB、50万語という圧倒的なキャパシティ
NotebookLMがすごいのは、1つのファイルで扱える情報のボリュームです。1ファイルにつき最大100MBまで、文字数にすると約50万語(日本語でもかなりの分量です)という巨大な資料も受け付けてくれます。
| 項目 | 制限の内容 |
| 対応ファイル形式 | PDF, Googleドキュメント, Googleスライド, テキスト, Markdown |
| ファイルサイズ | 1ファイルあたり最大 100MB |
| 文字数の上限 | 1ソースあたり最大 50万語 |
| ソースの数 | 1つのノートブックに最大 50個まで |
気になる「Excel」は直接読み込めるのか?
多くの人が業務で使っているExcel(.xlsx)ですが、残念ながら今のところNotebookLMに「そのまま」アップロードして読み込ませることはできません。ファイルを指定しても選択できないようになっています。
現時点ではExcelファイルをそのまま入れることはできない
Excelはセルの中にデータが配置されている特殊な構造をしているため、AIがそのままでは文脈を捉えにくいという事情があるようです。そのため、Excelにある表やデータをNotebookLMで使いたいときは、少し形を変えてあげる必要があります。
「直接入らないなら諦めるしかない」と思うかもしれませんが、実はいくつかの簡単な手順を踏むだけで、Excelの中身をAIに解析させることができるようになります。
スプレッドシート経由でデータを取り込む手順
一番手っ取り早いのは、ExcelのデータをGoogleスプレッドシートにインポートする方法です。NotebookLMはGoogleスプレッドシートとの連携に対応しているため、ドライブ上のシートを選べば中身を読み取ってくれます。
ただし、スプレッドシートなら何でも良いわけではありません。AIが理解しやすいように、複雑な結合セルは避け、シンプルな表形式に整えておくのがコツです。
数値データよりも「言葉」として整理して覚えさせるコツ
NotebookLMは、複雑な計算をさせるよりも、文章としての意味を理解させるほうが得意です。そのため、Excelのデータを渡すときは、ただの数字の羅列ではなく「何の数字なのか」というラベルをしっかり付けておきましょう。
- 悪い例: 数字だけが並んだ売上表
- 良い例: 「2024年4月の売上は100万円」といった、意味が通じる形式
表組みが複雑なデータを正しく認識させる工夫
どうしてもExcelのレイアウトを維持したまま読み込ませたい場合は、一度「PDF」として保存してからアップロードするのも一つの手です。PDFにすることで、表の構造を維持したまま文字情報としてAIに渡せます。
| 取り込み方法 | 手軽さ | 向いているデータ |
| スプレッドシート連携 | ★★★★ | 共有しやすい標準的な表 |
| PDF化してアップ | ★★★ | レイアウト重視の資料 |
| テキスト貼り付け | ★★★★★ | 特定のセル範囲だけ使いたい時 |
| Googleドキュメント化 | ★★★★ | 数値の解説文を含めたい時 |
動画や音声データを資料として使うためのルート
「動画の内容について質問したい」というニーズにも、NotebookLMは応えてくれます。ただし、動画ファイル(.mp4など)そのものをアップロードするわけではありません。
動画ファイルそのものではなくYouTubeのURLを活用する
動画をソースにしたいときは、YouTubeの共有URLをコピーして入力します。すると、AIが動画の「文字起こしデータ」を自動で取得し、その内容に基づいて回答してくれるようになります。
自分で撮影した動画を読み込ませたい場合は、一度YouTubeに限定公開でアップロードしてから、そのURLをNotebookLMに読み込ませるという手順が必要です。セミナー動画やインタビューの振り返りに非常に便利です。
音声ファイルをアップロードして文字起こしを自動生成
一方で、音声ファイル(.mp3や.wav)については、直接アップロードすることが可能です。ファイルを放り込むと、NotebookLMが自動で中身をテキストに変換してくれます。
ボイスレコーダーで録音した会議の音声などをそのまま読み込ませれば、AIが「誰が何を話していたか」を要約してくれるため、議事録作成の時間が劇的に短縮されます。
会議の録音データから議事録を整理させる流れ
音声を読み込ませた後は、「この会議の決定事項を箇条書きにして」と頼むだけです。AIは録音された会話の文脈を読み取り、重要なポイントを抽出してくれます。
資料としてテキスト化された後は、他のPDF資料などと組み合わせて「この企画書と会議での発言に矛盾はない?」といった高度な質問もできるようになります。
ウェブ上の情報をソースとして取り込むときの手順
ネットで見つけた気になる記事や、競合サイトの情報などもソースとして追加できます。
ニュース記事や技術ブログのURLを登録する
ソースの追加画面で「ウェブサイト」を選び、URLを貼り付けるだけで完了です。NotebookLMがそのページにアクセスし、広告などの不要な部分を除いたメインの文章だけを抽出してくれます。
わざわざコピペしてドキュメントを作る必要がないので、リサーチ作業が非常にスムーズに進みます。複数のニュースサイトのURLを登録して、最新トレンドを横断的にまとめさせることも可能です。
ログインが必要なサイトやSNSの投稿はどう扱うか
注意が必要なのは、パスワードがかかっているサイトや、会員限定のページです。これらはNotebookLMが中身を見に行くことができないため、URLを指定しても読み込みエラーになります。
そうした場合は、必要な範囲をマウスでコピーして、Googleドキュメントに貼り付けてから読み込ませるか、NotebookLMの「メモ」機能に直接ペーストして対応しましょう。
サイト内の画像や図表はどこまで読み取ってくれるのか
ウェブサイトにある「画像の中の文字」は、今のところ完璧に読み取れるわけではありません。グラフや図解などの視覚的な情報は、テキストで補足説明がある場合に限ってAIが正しく理解できます。
- テキスト: ほぼ完璧に読み取り可能
- 画像内の文字: 精度が落ちる場合がある
- 動画埋め込み: URL経由なら内容を把握できる
Googleドライブ内のドキュメントを効率よく連携させる
Googleのサービス同士ということもあり、ドライブ内のファイルとの相性は抜群です。
Googleスライドを資料にしてプレゼン内容を深掘りする
Googleスライドをソースに指定すると、各スライドのテキスト情報を読み取ってくれます。プレゼン資料の内容をQ&A形式で確認したり、構成案の矛盾を指摘してもらったりするのに最適です。
スライド内に画像が多い場合は、スピーカーノート(ノート欄)に重要な補足説明を書いておくと、AIがより深く内容を理解してくれるようになります。
ドキュメント内の表組みや箇条書きの再現性
Googleドキュメントで作った表組みは、比較的きれいに認識されます。ただし、あまりに複雑な入れ子構造の表は、AIが読み飛ばしてしまうこともあるようです。
大事なリストや表は、できるだけシンプルな箇条書きを併用して記述しておくと、AIが情報を拾い忘れるリスクを減らせます。
複数のファイルを一括で選択して読み込ませる
ドライブ連携を使えば、フォルダ内のファイルを複数選んで一括登録できます。いちいち1つずつアップロードする手間がないため、プロジェクトが始まった瞬間に、関連ドキュメントをすべてAIに読み込ませる、といった使いかたがスムーズにできます。
読み込ませる資料の「形」によって回答の質が変わる
NotebookLMは賢いツールですが、渡す情報の「見映え」よりも「構造」に敏感です。
AIが読み取りやすいPDFと苦手なPDFの違い
同じPDFでも、文字データが埋め込まれているものと、紙の資料を写真に撮っただけの「画像PDF」では、AIの扱いやすさが大きく変わります。
画像PDFの場合、AIは文字認識(OCR)を行いますが、文字がかすれていたり斜めになっていたりすると誤字が増えてしまいます。可能であれば、WordやGoogleドキュメントから「名前を付けて保存」で作った、きれいなPDFを使うのが理想です。
文字情報がメインではない資料を扱うときの注意
図解やイラストが中心の資料を読み込ませても、AIはその「絵」の意味を完全には理解できません。キャプション(説明文)や本文のテキストを頼りに内容を推測します。
図表が重要な資料を扱うときは、その図が何を示しているかを文章で書き添えた資料をセットで入れると、回答の精度がぐっと上がります。
ソースの数を絞ったほうが精度が上がるケース
「何でもかんでも入れる」のは便利ですが、質問の意図がはっきりしているときは、関連する数個のソースだけにチェックを入れて回答させるほうが、的外れな答えを減らせます。
- 広範なリサーチ: 50個フルに使って全体を網羅
- 特定の確認作業: 必要な1〜3個に絞って正確性を重視
ソースが「50個」を超えそうなときの整理術
NotebookLMには「1ノートブックにつきソース50個まで」というルールがあります。長く使っていると、この枠が足りなくなることも。
複数のノートブックに分けて管理する基準
資料が増えすぎたときは、ノートブックを「テーマ別」に分けるのが一番の解決策です。「2024年度の資料」と「2025年度の資料」で分けたり、クライアントごとに分けたりして、情報を整理しましょう。
1ユーザーにつき100個までノートブックを作れるので、惜しまず新しいノートブックを作成して、情報を分散させるのが使いこなしのコツです。
ノート機能を活用して古い資料をアーカイブする
ソースとしての50個とは別に、自分で書く「ノート」には数の制限が緩やかです。重要な要約だけをノートに残し、元のソースファイルを削除すれば、50個の枠を空けることができます。
- AIに資料を要約させる
- その要約を「ノート」として保存する
- 古いソースファイルをノートブックから削除する
優先度の低いファイルを一時的に除外して質問する
ファイルを削除したくないけれど、今は使わないという場合は、ソース一覧のチェックボックスを外しておきましょう。AIはその資料を見に行かなくなるため、今の作業に必要な情報だけに集中してくれます。
情報の「密度」をコントロールすることで、AIの回答をよりシャープに研ぎ澄ませることができます。
結局、どの形式で資料を用意するのが一番賢いのか
いろいろな形式を紹介してきましたが、運用を一番楽にするのは「できるだけテキストに近い形」にすることです。
テキストデータに変換して読み込ませるメリット
.txtやMarkdownは、無駄なデータが一切ないため、AIの処理が最も速く、かつ正確になります。容量も軽いため、100MBの制限を気にする必要もほとんどありません。
ウェブ記事やメールのやり取りなどを取り込みたいときは、下手にPDF化するよりも、内容をそのままテキストとしてコピペして読み込ませるのが、実は最も確実な方法です。
PDF化してレイアウトを維持したまま取り込むべき理由
一方で、注釈や図の位置関係が重要なマニュアルなどは、PDFのままのほうが後で人間が引用元を確認するときに便利です。
AIの回答には「どの資料のどこを参考にしたか」という引用元が表示されますが、PDFならその箇所のページをすぐに開けるため、情報の裏取りがしやすくなります。
運用が楽になるファイル管理のルール作り
NotebookLMをチームや個人で使い続けるなら、アップロードする前にファイル名を「20240401_会議議事録」のように、日付や内容がわかる形式に整えておきましょう。
AIが回答の中で「資料名」を出してくれるとき、わかりやすい名前になっていれば、私たちが元の資料を探す手間が省けます。
| 推奨形式 | おすすめの用途 |
| Googleドキュメント | 日々のドキュメント共有と連携 |
| PDF (テキストあり) | ページ数の多いマニュアルや報告書 |
| YouTube URL | セミナーや勉強会の振り返り |
| 音声ファイル | 会議の生録データからの要約 |
| テキスト / Markdown | 確実性とスピード重視のリサーチ |
まとめ:対応形式を理解してNotebookLMをもっと自由に使いこなす
NotebookLMは、PDFやGoogleドキュメントといった標準的な形式から、YouTube動画、音声ファイルまで、想像以上に幅広いデータをソースとして受け入れてくれます。Excelのように直接アップロードできない形式でも、スプレッドシートやPDFを経由させることで、AIの力を借りることは十分に可能です。
大事なのは、AIに「何を読ませるか」だけでなく「どの形で渡せば読み取りやすいか」を少しだけ意識すること。たったそれだけで、AIからの回答はより正確で、あなたの仕事に直結するものに変わっていきます。
まずは手元にある、使い道の決まっていない音声データやPDF資料を、NotebookLMに預けるところから始めてみませんか。きっと、情報の整理がこれまで以上に楽しく、楽になるはずです。

