GoogleのNotebookLMは、読み込ませた資料について質問できる非常に便利なツールです。
しかし、そのまま使っていると「内容が一般的すぎる」「もっと自分好みの形式で答えてほしい」と感じることはありませんか?
実は、指示の出し方(プロンプト)を工夫するだけで、AIの回答は劇的に変わります。
この記事では、NotebookLMを自分専用の優秀なパートナーに育てるための、カスタムプロンプトの活用術を詳しく解説します。
NotebookLMの回答を自分好みに変えるカスタムプロンプトの基本
NotebookLMは、私たちがアップロードした資料を「教科書」として読み込みます。
しかし、AIに「どう読んでほしいか」を伝えないと、平均的で無難な回答しか返ってきません。
そこで活用したいのが、回答のスタイルや視点を指定するカスタムプロンプトです。
まずは、指示の出し方一つでAIの性格がどう変わるのか、その全体像を把握しましょう。
特定の役割を与えたり、受け取りたい形をあらかじめ指定したりすることで、情報の質は一気に向上します。
AIに「役割」を与えて視点を固定する
AIに対して、どのような立場で答えてほしいかを明確に伝えてみましょう。
これを「ペルソナ(役割)」と呼びます。
例えば、資料の内容を厳しくチェックしたいなら「あなたは批判的な校閲者です」と伝えます。
逆に、新しいアイデアを広げたいなら「あなたは想像力豊かな企画者です」と指示するのです。
役割を指定するだけで、同じ資料からでも引き出される情報の鋭さが変わります。
例えば、専門用語だらけの論文も、「小学生に教える先生」という役割を与えれば、驚くほど噛み砕いた解説に変わるでしょう。
ただし、あまりに現実離れした役割を与えると、資料の内容を歪めてしまう心配もあります。
あくまで「資料に基づいた範囲」で役割を演じさせることが、正確さを保つコツです。
理想の回答形式を具体的に指定する
回答を受け取る形を、あらかじめAIに約束させておきましょう。
「箇条書きで3つ」や「表形式でまとめて」といった具体的な指示が、整理の手間を省いてくれます。
忙しいビジネスパーソンであれば、「結論を最初に、その後に理由を3つ並べて」といった型を指示するのがおすすめです。
これだけで、AIの長い文章を読み解くストレスから解放されます。
例えば、複数の資料を比較したいときは、「A社とB社の違いをメリット・デメリットの表にして」と頼んでみてください。
自分で行うと1時間かかる整理も、AIなら数秒で完了します。
注意点として、項目を多く指定しすぎると一つひとつの内容が薄くなることがあります。
情報の密度を保ちたいなら、項目数は絞って指示するのが良いでしょう。
読み手に合わせた言葉選びをお願いする
回答の「難易度」を指定することも、自分専用に育てるための重要なステップです。
自分がその分野の初心者なのか、あるいは専門家なのかを伝えておきましょう。
「専門用語は使わずに、日常的な例え話を使って解説して」といった指示が有効です。
これにより、初めて触れる分野の資料でも、立ち止まることなく内容を吸収できます。
例えば、海外の最新技術ドキュメントを読む際、「日本のビジネス習慣に例えて説明して」と指示してみましょう。
翻訳されただけの言葉よりも、自分の頭にすっと入ってくるはずです。
このように、情報の「受け取りやすさ」を調整することで、NotebookLMは自分だけの専属家庭教師へと進化します。
自分専用のAIへ育てるために役立つ指示テンプレート
NotebookLMを自分色に染めるためには、毎回同じような指示を打つ手間を減らしたいものです。
あらかじめ「自分好みの型」を決めておけば、新しい資料を追加したときも、すぐに質の高い回答が得られます。
ここでは、指示に含めるべき要素を整理したテンプレートの考え方を紹介します。
以下の項目を意識してプロンプトを組み立てることで、AIの回答の「ブレ」を抑え、常に満足度の高いアウトプットを引き出せるようになります。
| 構成要素 | 具体的な指示の内容 | 得られる効果 |
| 役割(だれが) | 専門家、編集者、初心者など | 回答の視点や専門性が決まる |
| 目的(なぜ) | 企画立案、要約、矛盾チェック | 情報の優先順位が最適化される |
| 形式(どのように) | 箇条書き、表、3行で、Markdown | 整理不要ですぐに活用できる |
| 禁止事項(しないで) | 専門用語の使用、資料外の推測 | 嘘や無駄な情報を排除できる |
ペルソナを言葉にして伝える
AIの性格を定義する言葉を、できるだけ具体的にプロンプトの冒頭に配置しましょう。
「あなたは~です」という一文があるだけで、AIの出力エンジンに特定のフィルターがかかります。
例えば、「あなたは20年の経験を持つベテラン編集者です」と伝えてみてください。
ただの要約ではなく、文章の構成案や、読者の目を引くキャッチコピーまで提案してくれるようになります。
もし、特定のターゲットに向けて資料をまとめたいなら、「あなたはターゲット層の代表者として、この資料に不満を感じる点を探してください」という指示も面白いでしょう。
自分一人では気づけなかった「死角」を、AIが客観的な視点から指摘してくれます。
このように、複数のペルソナを使い分けることで、一つの資料を多角的に分析できるようになります。
除外してほしい要素をあらかじめ伝える
AIの回答に「いらない情報」が含まれるのを防ぐために、ネガティブプロンプトを活用しましょう。
「一般的な導入文は省いて」「資料にない推測は絶対に書かないで」といった制約が、情報の純度を高めます。
例えば、AIはよく「まとめ」として当たり障りのない感想を付け加えることがありますが、これが不要なことも多いはずです。
「前置きや結びの言葉は一切不要です。本題だけを箇条書きにしてください」と指示すれば、画面がスッキリし、必要な情報だけが目に飛び込んできます。
特に、正確さが求められるリサーチ業務では「資料に記載がない場合は、正直に記載がないと答えてください」という一文が欠かせません。
AIが無理に答えを作ろうとする「ハルシネーション(もっともらしい嘘)」を防ぎ、情報の信頼性を守るための大切なアクションです。
文字数や語尾のトーンを細かく指示する
回答の「見た目」や「雰囲気」も、あなたの好みに合わせることができます。
「一言で」「300文字程度で」といった文字数の指定や、「だ・である調で」といった文体の指定を行いましょう。
自分のブログ記事の素材にしたいなら、そのブログの雰囲気に合わせた言葉遣いをお願いしてみてください。
コピペした後の修正作業が劇的に減り、執筆のスピードが加速します。
例えば、「箇条書きの一つひとつは15文字以内にして」という厳しい制約を与えることも可能です。
一見窮屈に思えますが、情報を極限まで削ぎ落とすことで、本質が浮き彫りになる効果があります。
自分にとって「最も心地よい情報の量」を見つけ出し、それをAIに覚えさせていきましょう。
そのまま使える!用途別のカスタムプロンプト具体例
理屈はわかっても、いざプロンプトを書こうとすると迷ってしまうものです。
そこで、実際の業務や学習でそのままコピーして使えるプロンプトの例をいくつか用意しました。
これらの指示をNotebookLMのチャット欄に貼り付けるだけで、資料の活用度が一段階上がります。
自分の状況に近いものを選び、必要に応じてカッコ内の指示を書き換えて試してみてください。
複数の資料から「矛盾点」や「独自主張」を抜き出す
複数のレポートや記事を読み込ませた際、それぞれの違いを浮き彫りにするための指示です。
どれが共通の事実で、どこからが筆者の主観なのかを切り分けるのに役立ちます。
Plaintext
あなたは客観的な分析官です。
読み込ませたすべての資料を比較し、以下の3点を整理してください。
1. すべての資料で共通して述べられている「事実」
2. 資料間で意見が食い違っている「矛盾点」
3. その資料にしか書かれていない「独自の主張」
回答は表形式でまとめ、各項目の根拠となる資料名を付記してください。
一般的な解説は不要です。資料内の情報のみに基づき、簡潔に答えてください。
リサーチの初期段階でこれを行うと、情報の「信ぴょう性」を判断する材料が揃います。
特定の資料だけを鵜呑みにせず、バランスの良い視点を持てるようになるでしょう。
難解な技術資料を「新入社員向け」の解説に変える
専門用語の壁を取り払い、誰でも理解できるマニュアルのような文章を作るための指示です。
難しい言葉を自分なりに解釈し直す際にも非常に役立ちます。
Plaintext
あなたは教え上手な先輩社員です。
この資料の内容を、業界知識がない新入社員でも理解できるように解説してください。
指示事項:
・専門用語はすべて日常的な言葉に言い換えてください。
・もし専門用語を使う場合は、必ず()で補足説明を付けてください。
・「例えば~」という具体的なシチュエーションを2つ以上含めてください。
・親しみやすい「丁寧語」で回答してください。
これを実行すると、読み解くのに苦労していたPDFが、すっと頭に入る物語のように変わります。
「わかったつもり」を防ぐために、このプロンプトで出力された内容を自分でもう一度読み返してみるのがおすすめです。
会議録から「ネクストアクション」をリストアップする
YouTubeの文字起こしや会議のメモをソースにしている場合に、最も実用的な指示です。
「結局、誰が何をすればいいの?」という疑問を即座に解消します。
Plaintext
あなたは有能なプロジェクトマネージャーです。
この会議録から、今後実施すべき「ネクストアクション」を抽出してください。
出力形式:
・[期限] [担当者] [タスク内容] の形式で箇条書きにしてください。
・担当者が不明な場合は「未定」と記載してください。
・タスクの優先度を(高・中・低)で付記してください。
最後に、この会議で決定されなかった「保留事項」があればリストアップしてください。
会議の後にこれを行うだけで、議事録を読み返す時間が大幅に短縮されます。
決定事項だけでなく「決まらなかったこと」をあえて出させるのがポイントです。
これにより、次回の会議で話すべき議題が明確になり、プロジェクトの停滞を防ぐことができます。
音声概説(Audio Overview)を細かく制御する
NotebookLMの大きな特徴である、2人のAIによる「音声対談(Audio Overview)」。
実はこの音声の内容も、最近のアップデートで自由にカスタマイズできるようになりました。
ただ「生成」ボタンを押すのではなく、事前に「何を話してほしいか」を指示することで、自分専用の解説ラジオ番組を作ることができます。
通勤中や家事の合間に聴くための、最適な学習コンテンツへと育てていきましょう。
対談のトーンや雰囲気を指定する
音声対談の2人に、どのようなキャラクターで話してほしいかを指示してみましょう。
「真面目な議論」から「カジュアルな雑談」まで、雰囲気を自在に変えられます。
「初心者向けに、冗談を交えながら明るい雰囲気で話して」といった指示が有効です。
これにより、難しいテーマでも心理的なハードルが下がり、最後まで楽しく聴き続けることができます。
逆に、ビジネスの判断材料にしたいなら「2人で批判的に議論し、リスクを洗い出して」と指示するのも良いでしょう。
良い面ばかりでなく、懸念点についても触れてくれるため、より深い理解に繋がります。
音声のトーン一つで、情報の受け取り方は驚くほど変わるものです。
特定の資料や数値を重点的に取り上げさせる
複数の資料がある中で、特に注目してほしいポイントをAIに伝えておきましょう。
すべての資料を均等に話すのではなく、あなたの興味がある部分にスポットライトを当てさせます。
「PDF資料の3ページ目にあるグラフの数値に注目して議論して」
このように具体的な箇所を指定することで、対談の内容がより具体的で価値のあるものになります。
例えば、最新の決算資料を読み込ませた際、「売上の数字よりも、経営陣が語っている『将来の展望』について深く掘り下げて」と指示してみてください。
自分が一番知りたかった情報を、AIたちが代わりにあれこれと議論してくれるようになります。
音声を聴くターゲット層を定義して最適化する
「だれのために」この音声を生成するのかを明示することで、AIは話の構成を最適化します。
自分が聴くためだけでなく、他人に説明するためのツールとしても活用できるのです。
「このプロジェクトを知らない他部署のメンバーに向けて、導入のメリットを分かりやすく話して」
このように設定すれば、そのまま共有用の解説音声として使えます。
音声カスタマイズの指示例
音声生成の前の設定画面で、以下のようなキーワードを盛り込んでみましょう。
- 10分程度の短い対談にして
- 専門用語を使わずに例え話を入れて
- 議論の最後には結論をまとめて
- 聴き手がワクワクするような話し方で
指示を具体的。
これだけで、単なる「まとめ音声」が、あなたをやる気にさせる「最高のプレゼン」に変わります。
よく使う指示を資産として管理して効率化
素晴らしいカスタムプロンプトが出来上がっても、毎回コピー元を探すのは面倒ですよね。
NotebookLMの機能を活用して、お気に入りの指示をいつでも呼び出せる「資産」として管理する方法を紹介します。
この仕組みを作っておけば、新しいノートブックを作るたびに「育てる」手間が省け、即座に最高のパフォーマンスを発揮させることができます。
AIを育てることは、自分の作業環境を整えることと同義です。
ノート機能を使って「プロンプト集」を作成する
NotebookLM内の「メモ(Notes)」機能は、AIの回答を保存するだけでなく、自分用のプロンプト置き場としても使えます。
「要約用」「アイデア用」「校閲用」など、目的別にノートを作っておきましょう。
使いたいときにそのノートを開き、プロンプトをチャット欄に貼り付けるだけです。
これを繰り返すうちに、自分に最も合った「最強のプロンプト集」が自然と出来上がっていきます。
例えば、うまく回答が得られた時の指示をメモに残しておき、「なぜこの時は成功したのか?」という理由も一言添えておくと、後で見返したときに役立ちます。
プロンプトは一度書いて終わりではなく、使いながらブラッシュアップしていくものです。
プロンプト自体を「ソース」として読み込ませる
少し上級者向けのテクニックですが、プロンプトをまとめたテキストファイルを「ソース」としてアップロードしてしまう方法があります。
これにより、チャットのたびに指示を打たなくても、AIが常にそのルールに従って動くようになります。
「このノートブックでは、常に『ソースにある指示書.txt』のルールに従って回答してください」と最初に一回伝えるだけです。
これで、そのノートブック全体が「あなた好みのフィルター」がかかった状態になります。
一つのテーマで長期的にリサーチを行う場合、この方法は非常に強力です。
AIに「私の好み」を資料として持たせておくことで、対話のたびに説明する手間が省け、まさに自分専用のAIとして機能し始めます。
プロジェクトごとに最適な指示を使い分ける
すべてのノートブックで同じプロンプトを使う必要はありません。
仕事用、学習用、趣味用と、プロジェクトごとに最適な指示のセットを用意しましょう。
- 仕事用:効率重視、結論から、表形式
- 学習用:丁寧な解説、例え話多め、Q&A形式
- 創作・趣味用:意外性、アイデアの拡張、感情的な表現
このように使い分けることで、NotebookLMは場面に合わせて姿を変える、マルチなパートナーになります。
「今はどの自分で情報を処理したいか?」を考え、それに合ったプロンプトを呼び出す。
この使い分けができるようになれば、あなたはもうNotebookLMを完全に使いこなせていると言えるでしょう。
回答が期待通りではない時の修正手順
精巧に作ったプロンプトでも、時としてAIが意図を汲み取ってくれないことがあります。
そんなとき、「AIがダメだ」と諦める前に、指示を少しだけ「微調整」してみましょう。
AIの回答がズレるのには、必ず理由があります。
以下のチェックポイントを確認して、プロンプトに少しの修正を加えるだけで、回答は劇的に改善されます。
抽象的すぎる言葉を具体的に開く
「分かりやすく」「詳しく」といった言葉は、人によって捉え方が違います。
AIにとっても、どれくらい「詳しい」のが正解か分からないのです。
「初心者でも5分で読めるように」や「3つのステップに分けて具体的に」といった、数値や具体的な状況を伴う言葉に言い換えてみてください。
指示が具体的。
これだけで、AIの迷いが消え、あなたの理想に近い回答が返ってくるようになります。
例えば、「面白いアイデアを出して」と言うよりも、「この資料と~の分野を掛け合わせた、意外性のあるアイデアを5つ出して」と言うほうが、AIの創造性は刺激されます。
AIの自由度をあえて制限することで、かえって質の高い回答を引き出せるのです。
参照してほしい「優先資料」を指名する
ノートブックに大量の資料を入れている場合、AIがどこを重点的に読めばいいか迷っている可能性があります。
「特にA社のレポートに重点を置いて答えて」といった優先順位を伝えてみましょう。
資料同士の内容が矛盾している場合、どの資料を「真実」とするかを指示することも大切です。
「資料Bの内容を正解として扱い、資料Cとの違いを述べて」といった具合です。
これにより、AIは情報の迷路から抜け出し、あなたの意図に沿った論理構成を作れるようになります。
大量のソースを扱えるNotebookLMだからこそ、この「交通整理」の指示が非常に重要です。
一度に多くのことを求めすぎていないか確認する
一つのプロンプトに「要約して、翻訳して、表にして、ブログ記事も書いて」と詰め込みすぎていませんか?
指示が多すぎると、AIの処理が分散し、どれも中途半端な出来になってしまうことがあります。
そんなときは、指示を段階的に分けてみましょう。
「まずは要約して」→「次に、その要約を元に表を作って」という具合です。
修正のステップ
- 複雑な指示を分解する
- 一つずつステップを踏んで質問する
- 良い回答が出たら、次の指示を出す
面倒に感じるかもしれませんが、急がば回れです。
一歩ずつ丁寧に対話することで、結果として最短で最高のアウトプットに辿り着くことができます。
まとめ:カスタムプロンプトでNotebookLMを最強の右腕に
NotebookLMは、カスタムプロンプトという「魔法の言葉」を与えることで、あなたの思考の癖や好みに寄り添う最高のパートナーへと成長します。
一度自分に合った設定を見つけてしまえば、情報収集のスピードと質は別次元のものになるはずです。
今回の内容を簡潔に振り返ります。
- 役割と形式の指定:AIに特定の視点と型を持たせる。
- 具体例の活用:用途に合わせたテンプレートで指示を定型化する。
- 音声の制御:Audio Overviewもプロンプトで自分好みに。
- 資産化:良い指示を保存し、プロジェクトごとに使い分ける。
まずは、今日試す一つの質問に「あなたはプロの編集者です」と付け加えることから始めてみてください。
その小さな一歩が、NotebookLMを「自分専用AI」へと育てる確実なスタートになります。
AIを育てることは、あなた自身の思考を整理し、広げていくプロセスそのものです。
カスタムプロンプトを使いこなし、NotebookLMという無限の書庫を、あなたの知的な活動を支える最強の武器に変えていきましょう。

